当サイトには広告を掲載しています

終活 葬儀

エンゼルケアの目的は?|病院と葬儀社で得意なケアの内容が異なる

ハートを持った小さな天使の人形

cegoh / Pixabay

あなたは亡くなった後のエンゼルケアをご存知ですか?

 

『仏教なのにエンゼル?』

『顔を綺麗にしてくれるやつでしょ?』

 

映画の『おくりびと』でも有名になりましたが、エンゼルケアとは死後の処置のことをいいます。エンゼルケアの主な目的は2つです。

 

  • 遺体からの感染症を防ぐ
  • 故人の容姿を綺麗に整える

 

今回は、エンゼルケアの目的とその手順、病院と葬儀社の違いについて解説していきます。

エンゼルケアの目的

日本人の80%は、病院で死を迎えるといわれています。そのため、亡くなった後は看護師が遺体のケアをすることが多いです。

最近ではエンゼルケアに力を入れている病院もありますが、基本的には医療従事者としての対応となります。遺体は1時間おきに1℃ずつ体温が低下し、消化器を中心に腐敗が進行し始めます。

 

遺体からの感染症を防ぐことは、医療従事者の大切な仕事です。

 

とはいっても、遺体はその後の葬儀まできれいに保っておきたいのが遺族の願いです。なので、全身を清拭して化粧や髭剃り、紙を整えるなどの処置もしてくれます。

ケアの前に家族が準備するもの

家族が用意するのは以下のモノです。

 

  • 故人に着てほしい洋服
  • 付けてほしいアクセサリー
  • 愛用していた化粧品

 

故人らしいモノを準備しましょう。

エンゼルケアの具体的な手順

それでは、病院で行われる一般的なエンゼルケアの手順を紹介していきます。

臨終直後は末期の水

まずは、遺体の口を水で湿らせます。これは『末期の水』といいます。

綿棒・割り箸と脱脂綿・筆など、使用するものは様々ですが、看取りに立ち会った人が全員行います。蘇生を願う民族的な儀式がルーツとされています。

 

病院によってはやらない場合もあります。

 

内容物の排泄と全身の清拭

続いて、体の内容物を排泄させ、全身を清潔な布で拭いていきます。

穴に綿を詰める

遺体から体液が漏れ出ないように、鼻、口、耳、肛門、膣に綿を詰めていきます。

 

綿詰めをしない病院も増えてきました。

 

衣服の着替え

故人が愛用していた服を用意して、着替えさせていきます。

 

納棺の前にはもう一度着替えをして、冥途の旅にむけた旅装束を着せます

 

人が亡くなった後の流れはコチラ▼

 

髭剃り、化粧、爪の手入れ、整髪

男性なら髭を剃り、女性なら化粧を施していきます。爪をきれいにして、髪の毛も整えます。

胸の前で手を組ませる

最後に、胸の前で手を組ませます。

シーツをかけて顔を白布で覆う

搬送時、遺体の顔をむやみにさらさないように、白い布で覆います。安置後は、ご家族の意向ではずすこともあります。

エンゼルケアの料金相場

エンゼルケアの料金相場はピンキリです。病院で行われることが多いですが、医療保険の対象にはならないので全額実費です。

ざっくりとですが、3,000~18,000円ほどの負担になります。ただし、葬儀社が介入すると、価格は跳ね上がります。もちろん、それなりの対応をしてもらうことはできます。

病院と葬儀社のケア方法の違い

病院でのエンゼルケアは『遺体からの感染症防止』の意味合いが強いです。もちろん故人を綺麗に整えてくれますが。

葬儀社でのエンゼルケアは『故人を綺麗に整える』ことが中心となります。中には1ヵ月も腐敗を防ぐ処理もあるのです。

それでは、葬儀社のエンゼルケアの特徴を紹介していきます。

経験値が高く、遺体を傷付ける可能性が低い

病院の看護師は『生きた人間のケア』のプロフェッショナルです。そのため、亡くなった方の処置には不慣れなことも多いという現状があります。

遺体は一度傷付けてしまうと、元には戻りません。髭剃りも、刃を強く当てすぎると、後で皮膚が変色してしまうこともあります。

葬儀社の人間は、このあたりのプロフェッショナルです。常日頃から『亡くなった人間のケア』をしているので、遺体を綺麗に保つスキルに長けているのです。

宗派ごとの対応ができる

葬儀社は仏教の宗派にも精通しています。実は宗派によって、腕の組ませ方は異なっているのです。しっかりと確認してから、適切な腕の組み方をしてくれます。

また、亡くなった後の顔は自然に目と口が開きます。これを釈迦が入滅した時と同じと考え、無理に閉じない宗派もあります。

老若男女ごとに容姿を整えることができる

男性なら濃いメイクはせず、女性なら細かなメイクをします。子供なら重たいドライアイスを乗せなかったり、高齢者なら皮膚のケアまで考慮してくれます。

湯灌で遺体を洗うことができる

湯灌とは遺体を沐浴させることをいいます。お湯に浸して全身を綺麗にしてから、死に装束に着替えさせるのです。この世の汚れを落として、仏の道に送り出すという思いも込められています。

エンバーミングで一ヶ月も腐敗を防げる

エンバーミングとは血管を利用した『腐敗防止処理』のことをいいます。医療技術によって、血液と腐敗防止剤をそっくり入れ替えます。

これにより、長期間の腐敗を防ぎ、遺体の色つやもよくなります。アメリカやカナダでは90%の割合で、エンバーミングが実施されています。

料金は高い

葬儀社のエンゼルケアは良質ですが、その分価格も高額です。

 

  • 清拭だけの古式湯灌:5万円前後
  • 浴槽を使った湯灌:10万円前後
  • エンバーミング:20万円前後

 

病院でのエンゼルケアと比較すると、料金が跳ね上がっています。しかし、日本は超高齢化社会を迎えており、火葬場がパンク状態という現状があります。

亡くなってから火葬までに1週間というのも普通です。その間、遺体はどんどん腐敗していきます。

故人との最後の別れの際、見るに堪えない姿というもの辛いものです。実際、遺族が他人との面会を断るような変化をきたす遺体は10%ほど存在します。

まとめ

以上、エンゼルケアの目的は?|病院と葬儀社で得意なケアの内容が異なるについての紹介でした!

エンゼルケアの目的は以下の2つです。

 

  • 遺体からの感染症を防ぐ
  • 故人の容姿を綺麗に整える

 

病院は感染症、葬儀社は容姿といった比重で対応してくれます。中には容姿を重視したエンゼルケアに力を入れる病院もあったり、病院まで湯灌出来る設備を持ってきてくれる葬儀社もあります。

病院と葬儀社によって千差万別なところがあるので、どのような対応をするのか事前に親族で話し合いをしたほうがいいでしょう。

 

-終活, 葬儀