仏教における六道輪廻と十界とは?|解脱しなければ転生し続ける
あなたは仏教における生死観をご存知ですか?
『死んだら仏になるのでは?』
『次の生命に生まれ変わる?』
死んだら仏、素晴らしいですね。今度、この考えがどこから来たものなのか調べてみます。なぜなら私の知る限り、仏教における人の死後は99%地獄行きです。
地獄はとても厳しい世界です。しかし、そこでの刑期が終われば次の転生が待っています。
仏教の生死観は輪廻転生です。
死んだあとは裁判にかけられ、次の生を受けて生まれ変わるのです。それをひたすら繰り返します。
生まれ変わりの先は六道と十界です。そして、その輪廻転生から抜け出すことを解脱といって、悟りを開いた者のみが辿り着ける世界とされています。
今回は、仏教における六道輪廻と十界について解説していきます。
輪廻転生とは?
輪廻転生は、死んだ後も別の生をうけ、また新しく生き、それを繰り返すことをいいます。仏教の考え方ですが、釈迦は死後の世界については語りませんでした。
全てのモノに実態はなく区別もないとする釈迦の悟りから考えると、永遠に転生を繰り返す魂の存在を認めることもできなかったのでしょう。
何も実態はないという『空』の理論を説明してるお経があります▼
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輪廻する世界から離れることを解脱といいます。解脱先を悟りの世界、極楽浄土、仏界などと呼び、仏教の修行はそこを目指すことです。
次の転生先が決まるまで
人が死んでから次の転生先が決まるまでには、49日間かかります。
ピンとくる方もいると思いますが、四十九日のことです。
死んでから7日おきに、7回の裁判を受け審判が下されます。この世に残された人は、死んだ人に良い判決が下るように法要を開催するのです。
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六道と十界
転生先は全部で10個あるとされています。諸説ありますが、大体は同じなので解説していきましょう。
解脱すると行けるのが仏界です。
- 仏界
以下は三界です。
- 無色界
- 色界
- 欲界
修行の三界ということもあります。その場合、菩薩、縁覚、声聞の3つの世界です。
以下は六道です。
- 地獄道
- 餓鬼道
- 畜生道
- 修羅道
- 人道
- 天道
無色界、色界、欲界の3つは天道の中にあるという説もあります。
仏界
仏界は悟りの世界です。極楽浄土といっていいでしょう。輪廻する世界から離脱して、永遠の安らぎを手にすることができます。
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三界
無色界
無色界は肉体のない世界です。精神だけがあります。欲も物質も脱した時に転生できます。
色界
色界には物質はありますが、欲はありません。
欲界
物質も欲もある世界です。人間はここに住んでいるとされています。
六道
欲界の中には、6つの転生先があります。
地獄道
三悪道(地獄道、餓鬼道、畜生道)の1つで、罪を犯した者が責めを受ける世界です。生前に犯した罪の重さによって、落ちる深さが異なります。残念なことに99%の人間が、地獄に落ちます。
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餓鬼道
己の欲ばかりを求め、他人を顧みなかった人が転生する世界です。
無財餓鬼
いつもお腹を空かせていますが、食べようとした瞬間、食べ物が燃えてしまうので、食べることはできません。
多財餓鬼
好きなだけ飲み食いできますが、満足感を得ることができず苦しみます。
小財餓鬼
少しだけ食べることだ許されていますが、糞尿など不浄なものしか食べられません。
畜生道
人間以外の動物の世界です。他人に感謝せず、恥知らずな人が転生する世界です。智慧はなく、食欲・性欲・睡眠欲だけの世界です。
修羅道
憎しみにとらわれ、争いばかりしていた人が転生する世界です。感情にとらわれ続け、戦いばかりしていくことになります。
人道
人間の世界です。東西南北の4つに分かれており、体の大きさや寿命の違う人間が生きています。私たちの人間界は南にあり、四苦八苦(老病死)などの苦しみを伴います。
しかし、仏の教えを学ぶことができるので、解脱のチャンスがあります。
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天道
神々が住む世界です。天道の住人は神通力を使えるので、楽しみ、喜びに満ちています。寿命は約900万年です。しかし、死はあるので苦しみもある世界です。
まとめ
以上、仏教における六道輪廻と十界とは?|解脱しなければ転生し続けるについての解説でした!
輪廻転生は色々な世界を死んだり生きたりしながら、グルグル回ることをいいます。そこから脱出して悟りを開くことが解脱です。仏教では、解脱(悟り)を目指して修行をするわけですね。
転生先が決まるまでには10回の裁判をうけるという説もあります▼
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