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仏教 輪廻転生

地獄の種類は全部で135個|八熱(八大)地獄と八寒地獄を解説

あなたは仏教における地獄というものをご存知ですか?

 

『地獄に落ちるとは聞くけどよくわからない』

『天国の反対だから地下にあるんじゃない?』

 

日本人というのは本当に不思議なもので、これほど生活に仏教が溶け込んでいるのに最も恐ろしい地獄をよくわかっていません。

さて、今回はそんな地獄について詳細を解説してくのですが、地獄というのは知れば知るほど恐ろしくなります。地獄がこれほどまでに壮絶で辛いとは思いもしないでしょう。

それでは、地獄の種類と責めについて紹介していきましょう。

地獄道は輪廻転生における六道の1つ

仏教では輪廻転生という考えがあり、霊魂は転々と他の生をうけて、様々な世界を生き続けるとされています。その考えのことを『六道輪廻』といい、その名の通り6つの道を回り続けることになります。

 

  1. 地獄道
  2. 餓鬼道
  3. 畜生道
  4. 修羅道
  5. 人道
  6. 天道

 

私たちが住む世界のことを人道といい、死後はほぼ100%地獄道に転生することになります。

 

転生先の六道と十界の詳細はコチラ▼

 

地獄はたくさんある|有名どころは八熱と八寒の2つ

実は、地獄といっても数多くの種類が存在しており、全部で135もあるといわれています。その中でも有名なのは八熱地獄と八寒地獄です。

八熱地獄 八寒地獄
等活地獄 アブダ地獄
黒縄地獄 ニラブダ地獄
衆合地獄 アタタ地獄
叫喚地獄 アババ地獄
大叫喚地獄 フフバ地獄
焦熱地獄 ウバラ地獄
大焦熱地獄 パドマ地獄
無間地獄(阿鼻地獄) マカパドマ地獄

そして、一般的に地獄といえば八熱地獄のことをいいます。

八熱地獄の場所と階層

八熱地獄の場所は地下29万kmの所にあり、これは地球の直系の約23倍です。地球を突き抜けてしまいますね。つまり、それだけ深くて暗黒なところに位置しているというイメージがあるという事です。

八熱地獄は8つのフロアに分かれており、下層に行くほど罪が重く、受ける責めも厳しいものとなります。そして、読んで字のごとく、熱い系の責めを受けます。

地獄の責めというのは『殺される』ことなのですが、1回では終わらずすぐに蘇生して延々と同じことを繰り返されます。

八熱地獄の種類を全て解説

それでは、八熱地獄を上から順番に解説していきます。

八熱地獄は8階建てのビルのような構造になっており、生前に犯した罪によって落とされるフロアが変わってきます。

主な罪状は5つです。これは仏教で守るべき五戒の順守状況が大きくかかわっています。

 

  • 不殺生戒(ふせっしょうかい):生き物を殺さない
  • 不偸盗戒(ふちゅうとうかい):盗みをしない
  • 不邪淫戒(ふじゃいんかい):性愛をしない
  • 不妄語戒(ふもうごかい):嘘をつかない
  • 不飲酒戒(ふいんしゅかい):酒を飲まない

 

『等活地獄』は1兆6千臆年も刑期を受ける

八熱地獄の最上階に位置するのが等活地獄です。

等活地獄の罪状は『殺生』

等活地獄の罪状は『殺生』です。

 

  • 等活地獄:殺生
  • 黒縄地獄:殺生+窃盗
  • 衆合地獄:殺生+窃盗+邪淫
  • 叫喚地獄:殺生+窃盗+邪淫+飲酒
  • 大叫喚地獄:殺生+窃盗+邪淫+飲酒+嘘
  • 焦熱地獄:殺生+窃盗+邪淫+飲酒+嘘+仏を信じない
  • 大焦熱地獄:殺生+窃盗+邪淫+飲酒+嘘+仏を信じない+強姦
  • 無間地獄(阿鼻地獄):殺生+窃盗+邪淫+飲酒+嘘+仏を信じない+強姦+親or聖者を殺害

 

誰でも、蚊ぐらい殺したことがありますよね。

 

つまり、人道で生きている人の大半が、少なくとも等活地獄に落ちることになります。細菌なども生命と考えるなら、確実に100%の人が該当しますよね(^^;)

 

転生先の決定方法はコチラ▼

地獄の苦しみから救ってくれる仏様はコチラ▼

 

等活地獄は最も罪の軽い人が落ちるとされる、地獄8階層の最上階にあります。地獄の中では一番ラクなはずの等活地獄ですが、その刑期はなんと・・・

 

1兆6千臆年です!

 

人間の世界(人道)で死んだあと等活地獄に落ちたら、次の転生までに1兆6千臆年かかるのです。気の遠くなるような期間ですね。

さらに恐ろしいのは、そのあいだ受け続ける責めです。等活地獄の責めにはどんなモノがあるのでしょうか?

等活地獄の主な責めと16の小地獄

地獄は8階層になっており、各フロアにはメインの地獄を中心として周りに16個の小地獄があります。

等活地獄では、同じフロアの人間同士で殺し合いをしなければなりません。参加を拒むこともできますが、その場合は獄卒(鬼)によって殺されます。

死んだあともすぐに生き返り、これを1兆6千臆年続けなければなりません。これが一番罪が軽いとされる等活地獄です。それでは、16の小地獄を解説していきます。

 

屎泥処(しでいしょ) 動物を殺生した人が行く小地獄。糞尿を釜で煮て沸騰させた中に落とされる。
刀輪処(とうりんしょ) 欲望のために殺生した人が行く小地獄。火の粉が舞う鉄の囲いの中に入れられ、空からは両刃の剣が降ってくる。
瓮熟処(おうじゅくしょ) 生き物を殺生して煮て食べた人が行く小地獄。ビンに詰められ、ぐつぐつと煮込まれる。
多苦処(たくしょ) 動物を虐待して殺生した人が行く小地獄。その名の通り、十千億もの苦が用意されている。
闇冥処(あんみょうしょ) 動物を虐待して殺生した人が行く小地獄。暗闇の中、唯一見つけた炎に焼かれる。
不喜処(ふきしょ) 大きな音で動物を追い立て、殺生した人が行く小地獄。火を吐く鳥、犬、狐がいて、食べられる。
極苦処(ごくくしょ) 憂さ晴らしで殺生をした人が行く小地獄。獄卒(鬼)に崖から落とされ、下で燃えている炎で焼かれる。
衆病処(しゅうびょうしょ) 感染症が蔓延している小地獄。
両鉄処(りょうてつしょ) 鉄の雨が降り注ぐ小地獄。
悪杖処(あくじょうしょ) あらゆる拷問道具が用意された小地獄。
黒色鼠狼処(こくしょくそろうしょ) 黒い鼠と狼に少しずつ食べられる小地獄。
異異回転処(いいかいてんしょ) 体の形を保てないほどの遠心力を加えられる小地獄。
苦逼処(くひつしょ) 肉体と精神を同時に苦しめる小地獄。
鉢頭麻鬢処(はちずまびんしょ) 蓮華の花のように体を裂かれる小地獄。
陂池処(ひちしょ) 沸騰した池で泳ぐ小地獄。
空中受苦処(くうちゅうじゅくしょ) 宙づりのまま責めを受ける小地獄。

 

刑が一番軽いとされる地獄なのに、こんなにも大変だとは・・・地獄にだけは落ちたくないものです。

 

地獄に落ちない方法はコチラ▼

 

『黒縄地獄』は13兆年も刑期を受ける

八熱地獄の上から2番目のフロアに位置するのが黒縄地獄です。その刑期は、なんと13兆年もあります。等活地獄の刑期は約1兆6000億年ですが、さらにその8倍もあるのです。

黒縄地獄の罪状は『殺生』+『窃盗』

黒縄地獄の罪状は『殺生』+『窃盗』です。

 

  • 等活地獄:殺生
  • 黒縄地獄:殺生+窃盗
  • 衆合地獄:殺生+窃盗+邪淫
  • 叫喚地獄:殺生+窃盗+邪淫+飲酒
  • 大叫喚地獄:殺生+窃盗+邪淫+飲酒+嘘
  • 焦熱地獄:殺生+窃盗+邪淫+飲酒+嘘+仏を信じない
  • 大焦熱地獄:殺生+窃盗+邪淫+飲酒+嘘+仏を信じない+強姦
  • 無間地獄(阿鼻地獄):殺生+窃盗+邪淫+飲酒+嘘+仏を信じない+強姦+親or聖者を殺害

 

黒縄地獄では、どのような責めが待ち受けているのでしょうか?

黒縄地獄の主な責めと16の小地獄

黒縄地獄の主な責めは、その名の通り縄を使います。焼けた鉄の縄で体に縦横の焼き跡をつけられ、今度はその線に沿って獄卒(鬼)に切られます。

黒縄地獄の小地獄は、3つしか分かっていません。

 

等喚受苦処(とうかんじゅくしょ) 間違ったことを教えたり、苦しさから自殺をした人が行く小地獄。底が見えないくらい高いところから、手足を縛られて落とされる。底には剣山があり、さらに体が溶けるほどの熱をおびている。
旃荼処(せんだしょ) 仮病を使って薬をだまし取った人が行く小地獄。怪鳥が現れて、目や舌を引き抜いていく。最終的には全てを食べられるが、獄卒が怪鳥の糞を集めて元の体に戻され同じ責めを受ける。
畏熟処(いじゅくしょ) 殺人、盗食をした人が行く小地獄。ひたすら獄卒と追いかけっこをする責めを受ける。追いかけっこといっても、一方的に追い回されるだけ。寝ることもできない。また、獄卒は灼熱の刀や弓で攻撃してくる。

 

最上階の等活地獄と、2番目の黒縄地獄の責めの重さはさほど変わらないようです。しかし、刑期は13兆年と一気に増えました。

等活地獄の罪状『殺生』に追加して『窃盗』をすると、黒縄地獄に落とされます。これでも、2番目に刑の軽い地獄なのです。

『衆合地獄』は106兆年も刑期を受ける

八熱地獄の上から3番目のフロアに位置するのが衆合地獄です。

 

衆合地獄の刑期は、106兆年といわれています。

 

等活地獄の約66倍もの期間、地獄の責めを受け続けなければなりません。

衆合地獄の罪状は『殺生』+『窃盗』+『邪淫』

衆合地獄の罪状は『殺生』+『窃盗』+『邪淫』です。

 

  • 等活地獄:殺生
  • 黒縄地獄:殺生+窃盗
  • 衆合地獄:殺生+窃盗+邪淫
  • 叫喚地獄:殺生+窃盗+邪淫+飲酒
  • 大叫喚地獄:殺生+窃盗+邪淫+飲酒+嘘
  • 焦熱地獄:殺生+窃盗+邪淫+飲酒+嘘+仏を信じない
  • 大焦熱地獄:殺生+窃盗+邪淫+飲酒+嘘+仏を信じない+強姦
  • 無間地獄(阿鼻地獄):殺生+窃盗+邪淫+飲酒+嘘+仏を信じない+強姦+親or聖者を殺害

 

殺生をした人は等活地獄、さらに窃盗をした人は黒縄地獄、そしてさらに性愛をした人が衆合地獄に落ちることになります。

衆合地獄の主な責めと16の小地獄

衆合地獄は不適切な性愛をした人が落ちる地獄なので、主な責めは人の性愛を利用したものになります。

 

中でも刀葉林が有名です。

 

刃物でできた木が生い茂っており、そのてっぺんに美女が待っています。欲に駆られた罪人は、自らの体を刻まれながからも登らずにはいられません。

やっとの思いで登り切ると、そこには美女がいません。今度は下で待っているのです。刃葉林では、この登り下りを繰り返します。

それでは、16の小地獄を紹介していきます。

 

大量受苦悩処(たいりょうじゅくのうしょ) 覗き見をした人が行く小地獄。獄卒(鬼)たちが、熱く焼けた鉄の串を何本も突き刺してくる。身動きが取れないほど串を刺された後、生殖器を引きちぎられる。
割刳処(かっこしょ) 口を使った性愛をした人が行く小地獄。口の中から四方八方に向かって、熱く焼けた釘を刺される。
脈脈断処(みゃくみゃくだんしょ) 口の中に溶けた銅を流し込まれる。
悪見処(あくけんしょ) 罪人の子供の生殖器に釘を打ち付けるという、精神的な苦痛を味わう。
団処(だんしょ) 牛と馬を獣姦した人が行く小地獄。地獄の馬や牛を獣姦し、獣の体内から焼かれる。
多苦悩処(たくのうしょ) 同性愛者が落ちる小地獄。幻の男性を抱くと、炎で焼かれる。
忍苦処(にんくしょ) 自分以外の配偶者と性愛をした人が行く小地獄。獄卒によって足を縛られ、逆さ吊りにされる。そして下から火をつけられて焼かれる。
朱誅処(しゅちゅうしょ) 羊とロバを獣姦した人が行く小地獄。鉄でできた蟻に食べらる。
何何奚処(かかけいしょ) 姉妹と性愛をした人が行く小地獄。熱い鉄の鳥に食べられる。
涙火出処(るいかしゅっしょ) 尼僧などの聖職者と性愛をした人が行く小地獄。涙が炎に変化して、目を焼かれる。そのあとは、獄卒が木の杭を目に打ち込んでくる。最後は杵を使って、生殖器を叩き潰される。
一切根滅処(いっさいこんめつしょ) 肛門を使った性愛をした人が行く小地獄。虫入りの煮えたぎった胴を、口の中に流し込まれる。虫は体の中から内臓を食べ、罪人を焼いていく。
無彼岸受苦処(むひがんじゅくしょ) 配偶者以外と性愛をした人が行く小地獄。様々な責めが、次から次へと続く。
鉢頭摩処(はちずましょ) 出家したのに性愛をした人が行く小地獄。まずは、瓶の中に詰め込まれ、グツグツと煮込まれる。外には美しい紅蓮華が咲いており、救いを求めて近寄ると、地面に仕掛けられた鉄の鉤に引き裂かれる。
大鉢頭摩処(だいはちずましょ) 出家僧と偽って戒律を破った人が行く小地獄。火山から溶岩が流れており、突き落とされる。人間の姿には生き返れず、魚として生き返える。そこへ熱いくちばしをもった怪鳥がやってきて、襲われる。
火盆処(かぼんしょ) 体の穴から体内に炎が入り込んでくる。
鉄末火処(てつまっかしょ) 熱い鉄の雨に撃ち抜かれる。

 

よこしまな事をすると、衆合地獄に落ちるかもしれませんね。

『叫喚地獄』は852兆年も刑期を受ける

八熱地獄の上から4番目のフロアに位置するのが叫喚地獄です。罪の重さとしても中くらいといったところでしょうか。しかし、その刑期、つまり次の転生までには途方もない時間がかかります。

 

852兆6400億年です。

 

・・・もはや理解不能な期間ですね。一番罪の軽い等活地獄の刑期は約1兆6千臆年です。それでも十分長いのですが、階層が3つ下がるだけで、約530倍もの刑期に膨れ上がるのでした。

叫喚地獄の罪状は『殺生』+『窃盗』+『邪淫』+『飲酒』

叫喚地獄の罪状は『殺生』+『窃盗』+『邪淫』+『飲酒』です。

 

  • 等活地獄:殺生
  • 黒縄地獄:殺生+窃盗
  • 衆合地獄:殺生+窃盗+邪淫
  • 叫喚地獄:殺生+窃盗+邪淫+飲酒
  • 大叫喚地獄:殺生+窃盗+邪淫+飲酒+嘘
  • 焦熱地獄:殺生+窃盗+邪淫+飲酒+嘘+仏を信じない
  • 大焦熱地獄:殺生+窃盗+邪淫+飲酒+嘘+仏を信じない+強姦
  • 無間地獄(阿鼻地獄):殺生+窃盗+邪淫+飲酒+嘘+仏を信じない+強姦+親or聖者を殺害

 

叫喚地獄は、仏教の五戒を4つ破った人が落ちる地獄です。それなりに厳しい措置がとられるのも、仕方ありませんね。

叫喚地獄の主な責めと16の小地獄

叫喚地獄の主な責めはランニングです。もちろん普通のランニングではなく、焼けた鉄の上を走らなければなりません。

走り終わったあとは、お風呂が用意されています。地獄の釜で煮えたぎった銅の中に落とされます。それでは、叫喚地獄にある16の小地獄を紹介していきます。

 

大吼処(だいくしょ) 仏教を学んでいる人に酒を飲ませた人が行く小地獄。
普声処(ふしょうしょ) 仏教を学んでいるとき、欲にくらんで酒を飲んでしまった人が行く小地獄。
髪火流処(はっかるしょ) 五戒を守ろうとしている僧侶に、酒を飲ませた人が行く小地獄。罪人は空から降ってくる炎の雨に焼かれる。
火末虫処(かまつちゅうしょ) 酒に水を混ぜ、量をごまかして販売した人が行く小地獄。400を超える病気が用意されており、順番に感染させられる。
熱鉄火杵処(ねつてっかしょしょ) 獣に酒を与え、動けなくなったところを捕まえた人が行く小地獄。
雨炎火石処(うえんかせきしょ) 象に酒を与えて暴走させ、周囲に迷惑をかけた人が行く小地獄。火炎に包まれた像の鼻で、ひたすら叩かれる。空からは焼け石の雨が降り注ぎ、あまりのツラさに叫ぶ。
殺殺処(せつせつしょ) 女性を酒で酔わせて、性愛をした人が行く小地獄。まずは、男根を引き抜かれる。すぐに再生するので、また引き抜かれる。永遠ともいえる期間の苦痛に泣き叫ぶ。
鉄林曠野処(てつりんこうやしょ) 毒入りの酒を飲ませた人が行く小地獄。
普闇処(ふあんしょ) 安酒を高額で売りつけた人が行く小地獄。
閻魔羅遮曠野処(えんまらこうやしょ) 病人や妊婦に薬と偽って酒を飲ませ、窃盗をした人が行く小地獄。体に火を付けられ焼かれた状態で、足先から頭の先に向かって千切りにされる。
剣林処(けんりんしょ) 泊まりにきた旅人に酒を飲ませ、窃盗した人が行く小地獄。
大剣林処(だいけんりんしょ) 水のないところで酒を大量に売りさばき、利益を得た人が行く小地獄。
芭蕉烟林処(ばしょうえんりんしょ) 年配女性に酒を飲ませて暴行をした人が行く小地獄。熱い鉄の棒で叩かれ、最後は尿道から毒を注入される。
煙火林処(えんかりんしょ) 政治家に酒を振る舞い、仕事の融通をきいてもらった人が行く小地獄。
火雲霧処(かうんむしょ) 酒を使って人を酔わせて、馬鹿にした人が行く小地獄。
分別苦処(ふんべつくしょ) 目下の人間に酒を無理やり飲ませ、猟をさせた人が行く小地獄。この小地獄は変わっており、獄卒(鬼)から説教を受ける。もちろん、暴行も受ける。

 

人は誰しもお酒での失態がありますよね。しかし、叫喚地獄の責めを知ったら、そんなお酒の悪い癖もなくなりそうです。

『大叫喚地獄』は6,821兆年も刑期を受ける

八熱地獄の上から5番目のフロアに位置するのが大叫喚地獄です。

大叫喚地獄の刑期は6,821兆年、地獄全体でも罪が重いほうに分類されます。最上階の等活地獄の刑期は約1兆6千臆年です。4つ下の階に下りるだけで、刑期は4,263倍にも膨れ上がるのでした。

雲仙地獄の口コミ|今や地獄は観光地

実は、大叫喚地獄は現世でも見ることができます。以下の映像は長野県にある雲仙地獄の映像です。

口コミ 

ここは駐車料金の500円だけで入園料などは掛からず中を散策する事が出来ます。 途中温泉玉子の販売所があったり。 地熱で地面が沸騰している場所などがあったり色々な地獄めぐりが出来て面白かったです。

引用:グーグルマップ

多少の階段があるので完全バリアフリーとは言えませんが、入口はフラットなので誰でも雰囲気は味わえます。夜の見学ツアーも開催され、日中見られない鉱物の輝きや夜しか聞こえない地獄の呟きが体験できました。

引用:グーグルマップ

大叫喚地獄の罪状は『殺生』+『窃盗』+『邪淫』+『飲酒』+『嘘』

大叫喚地獄の罪状は『殺生』+『窃盗』+『邪淫』+『飲酒』+『嘘』です。

 

  • 等活地獄:殺生
  • 黒縄地獄:殺生+窃盗
  • 衆合地獄:殺生+窃盗+邪淫
  • 叫喚地獄:殺生+窃盗+邪淫+飲酒
  • 大叫喚地獄:殺生+窃盗+邪淫+飲酒+嘘
  • 焦熱地獄:殺生+窃盗+邪淫+飲酒+嘘+仏を信じない
  • 大焦熱地獄:殺生+窃盗+邪淫+飲酒+嘘+仏を信じない+強姦
  • 無間地獄(阿鼻地獄):殺生+窃盗+邪淫+飲酒+嘘+仏を信じない+強姦+親or聖者を殺害

 

これらは仏教で守らなければならない五戒の全てなので、厳しい責めが待ち受けています。

大叫喚地獄の主な責めと16の小地獄

大叫喚地獄の責めは、叫喚地獄と同じ内容です。しかし、苦しみだけはケタ外れに増えるといわれています。

上層にある等活地獄から叫喚地獄まで合わせて4つの地獄の苦しみを10倍にした責めを受けるのです。それでは、大叫喚地獄にある16個の小地獄について解説していきます。

 

吼々処(くくしょ) 自分に良くしてくれた人に嘘をついた人が行く小地獄。嘘をついた舌に毒を塗られ、口の中に火を付けられる。
受苦無有数量処(じゅくむうすうりょうしょ) 嫉妬や欲望を抑えられず、嘘で相手を貶めた人が行く小地獄。どことなく体中から虫が発生して、毒を注入される。傷口からは植物が生えて体に根をはる。植物が大きくなると、根こそぎ引き抜かれる。
受堅苦悩不可忍耐処(じゅけんくのうふかにんたいしょ) 管理職なのに、責任を部下に押し付けた人が行く小地獄。体の中に毒蛇が生まれ、毒に犯されながら食べらる。
随意圧処(ずいいあつしょ) 他人を口車に乗せて、不動産をだまし取った人が行く小地獄。まるで刀鍛冶のように、体を焼かれては金槌で叩かれて延ばされる。
一切闇処(いっさいあんしょ) 人の配偶者を無理やり性愛し、誘惑されたと嘘をついた人が行く小地獄。頭を割られ、舌を引っ張って足まで割かれる。
人闇煙処(じんあんえんしょ) お金があるのに無いと嘘をついて騙しとった人が行く小地獄。体をスライスされ続ける。
如飛虫堕処(にょひちゅうだしょ) 僧侶の持ち物を盗んだ人が行く小地獄。熱く焼けた鉄の犬がたくさんおり、追い掛け回される。最終的には食べられる。
死活等処(しかつとうしょ) 出家したふりをした人が行く小地獄。逃げられないように足を切られ、炎の中に放り込まれる。
異々転処(いいてんしょ) 商いをする人に嘘をついて、大損失をさせた人が行く小地獄。精神的な苦痛を与える責めで、家族や愛する人が溶岩で溶かされる。
唐悕望処(とうきぼうしょ) 助けが必要な人を見過ごした人が行く小地獄。鉄を溶かした釜に入れられる。
双逼悩処(そうひつのうしょ) 仲間内の悪口を言って、輪を乱した人が行く小地獄。熱い牙の生えた虎に食べられる。
迭相圧処(てっそうあつしょ) 遺産相続でもめた人が行く小地獄。刃物で肉を切り取られ、それを食べさせられる。
金剛嘴烏処(こんごうしうしょ) 病人を治療しなかった人が行く小地獄。熱いくちばしをもった怪鳥に食べられる。
火鬘処(かまんしょ) 裁判で嘘をついた人が行く小地獄。体中をすりおろされる。
受鋒苦処(じゅほうくしょ) お布施の額にケチをつけた人が行く小地獄。獄卒(鬼)によって、隙間がないほど体に針を刺される。
受無辺苦処(じゅむへんくしょ) 教えを説く人間が、間違いを教えた時に行く小地獄。熱く焼けた鉄の箸を使って、目と舌を引き抜かれる。

 

仏教の五戒を破る恐ろしさを、身に染みて感じることができますね。それにしても、現世で大叫喚地獄を見ることができたのには驚きです。

これより罪の重い地獄はあと3つあります。いったい、どんな人が落ちるのでしょうか。

 

地獄の救いについてはコチラ▼

 

『焦熱地獄』は5京4569兆年も刑期を受ける

八熱地獄の上から6番目のフロアに位置するのが焦熱地獄です。殺生+盗み+邪淫+飲酒+嘘+仏を信じないものが落ちる地獄です。焦熱地獄の刑期は等活地獄の32,768倍となります。

 

  • 等活地獄:殺生
  • 黒縄地獄:殺生+窃盗
  • 衆合地獄:殺生+窃盗+邪淫
  • 叫喚地獄:殺生+窃盗+邪淫+飲酒
  • 大叫喚地獄:殺生+窃盗+邪淫+飲酒+嘘
  • 焦熱地獄:殺生+窃盗+邪淫+飲酒+嘘+仏を信じない
  • 大焦熱地獄:殺生+窃盗+邪淫+飲酒+嘘+仏を信じない+強姦
  • 無間地獄(阿鼻地獄):殺生+窃盗+邪淫+飲酒+嘘+仏を信じない+強姦+親or聖者を殺害

 

熱い鉄の上で焼かれ、紙のように薄く延ばされます。

『大焦熱地獄』は恐ろしく長い期間かかる

八熱地獄の上から7番目のフロアに位置するのが大焦熱地獄です。殺生+盗み+邪淫+飲酒+嘘+仏を信じないもの+強姦したものが落ちる地獄です。

その刑期は『恐ろしく長い』とだけ分かっています。

 

  • 等活地獄:殺生
  • 黒縄地獄:殺生+窃盗
  • 衆合地獄:殺生+窃盗+邪淫
  • 叫喚地獄:殺生+窃盗+邪淫+飲酒
  • 大叫喚地獄:殺生+窃盗+邪淫+飲酒+嘘
  • 焦熱地獄:殺生+窃盗+邪淫+飲酒+嘘+仏を信じない
  • 大焦熱地獄:殺生+窃盗+邪淫+飲酒+嘘+仏を信じない+強姦
  • 無間地獄(阿鼻地獄):殺生+窃盗+邪淫+飲酒+嘘+仏を信じない+強姦+親or聖者を殺害

 

等活地獄~焦熱地獄までの苦痛を、10倍にした責めを受けます。

『無間地獄(阿鼻地獄)』はもうよくわからないくらい長い

八熱地獄の上から8番目のフロア、最下層に位置するのが無間地獄(阿鼻地獄)です。殺生+盗み+邪淫+飲酒+嘘+仏を信じないもの+強姦+親or聖者を殺害したものが落ちる地獄です。

最下層の刑期はもやは不明です。『1中劫』という言葉で表現されますが、仏教用語でとにかく長いという意味があります。

 

  • 等活地獄:殺生
  • 黒縄地獄:殺生+窃盗
  • 衆合地獄:殺生+窃盗+邪淫
  • 叫喚地獄:殺生+窃盗+邪淫+飲酒
  • 大叫喚地獄:殺生+窃盗+邪淫+飲酒+嘘
  • 焦熱地獄:殺生+窃盗+邪淫+飲酒+嘘+仏を信じない
  • 大焦熱地獄:殺生+窃盗+邪淫+飲酒+嘘+仏を信じない+強姦
  • 無間地獄(阿鼻地獄):殺生+窃盗+邪淫+飲酒+嘘+仏を信じない+強姦+親or聖者を殺害

 

鉄の壁の中に入れられ、溶解した銅を流し込まれます。すべての地獄の苦痛を、1,000倍にした責めを受けます。

まとめ

以上、仏教における地獄の種類|八熱(八大)地獄と八寒地獄を解説についての紹介でした!

地獄の責めは恐ろしいですね。こんなのが永遠ともいえる期間続いてやっと次に転生できるわけです。昔の人々が地獄を恐れ、仏様を信仰したのもよくわかります。

しかし、地獄行きの条件を見る限り、ほぼ全員地獄行きですね(^^;)

 

地獄行きを決めるのは誰?裁判官たちについてはコチラ▼

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