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仏教 輪廻転生

閻魔大王と地蔵菩薩の関係|六道輪廻における地獄の責めと救済

あなたは閻魔大王と地蔵菩薩をご存知ですか?

 

『閻魔は地獄行きを決める人でしょ?』

『地蔵はよく道端にあるよね』

 

閻魔大王は、死後の転生先を決める裁判官の1人です。人が死んだあとは7~10回の裁判を受けるといわれており、その5回目の裁判を担当しています。

地蔵菩薩は、いわゆるお地蔵さんのことです。石で出来た仏像が多く、お金のない庶民の間に広まった菩薩です。閻魔大王は地獄行きを決定し、地蔵菩薩は地獄での救済を担っているのです。

 

そんな正反対の仕事をする2人は表裏一体。実は、同一人物といわれています。

 

今回は、そんな2人の不思議な関係につて解説していきます。

閻魔大王の仕事

閻魔大王の由来は、古代インドの神様『ヤマ』からきています。ヤマは死の国を支配する神様でした。閻魔はヤマを漢字で音写したものです。

しかし、ヤマが治める死の国は今の地獄とはかけ離れており、楽園でした。人間の想像力とはマイナスイメージが強く、時代とともに楽園は地獄へと変わっていきます。

それに伴い、ヤマも恐怖の閻魔大王へと変貌していくのでした。

十王裁判とは?

人は死んだ後、裁判にかけられます。その裁判の判決によって、次の転生先が決まります。閻魔大王は5回目の裁判官です。

 

人は死んでから10回も裁判にかけられます▼

 

閻魔大王の使命

ヤマが中国に伝わるころには閻魔天となり、10人いる冥府の十王の中で最高ランクに君臨するようになりました。

閻魔大王は5回目の裁判官ですが、そのあとに判決結果が変わることは無いとされています。

地蔵菩薩|お地蔵さんの仕事

地獄の救済といえば地蔵菩薩です。地蔵菩薩は、弥勒菩薩が現れるまでのつなぎ役を担っています。釈迦の死後、次に救いを差し伸べるのは弥勒菩薩といわれています。

 

しかし、弥勒菩薩が現れるのは56臆7000万年後です。

 

その間、救いがないのはあまりにもツラすぎるということで、地蔵菩薩が作られました。

菩薩とは?

地蔵菩薩といいますが、そもそも菩薩とはなんでしょうか?

 

菩薩

悟りを開くことが決まっているが、今は修行に励んでいる仏。

 

悟りを開いた仏を如来といいます。

 

仏像の種類についてはコチラ▼

 

地蔵菩薩の使命

仏教では六道輪廻という考えがあります。人は死んだあと、6つの道のどこかに転生するのです。

 

六道輪廻についてはコチラ▼

 

地蔵菩薩は転生先の入り口にいます。なので全部で6体です。棺桶に六文銭を入れるのは、この6体の地蔵菩薩への布施といわれています。

 

六文銭は、三途の川の渡し賃という説もあります。

 

特に有名な仕事は、賽の河原での子供の救済です。親よりも早く死んだ子供は、賽の河原で石積みの刑に処されています。

あと少しで石が積みあがる頃になると、鬼がやってきてその石を破壊してしまいます。そんな子供たちを救済するのが地蔵菩薩なのです。

 

賽の河原の詳細はコチラ▼

 

地蔵菩薩の種類

水子地蔵

妊娠中や、生まれてから1年以内に亡くなった子供を供養する地蔵菩薩です。

子安地蔵

子供の安産を叶える地蔵菩薩です。

延命地蔵

生まれた子供が長く生きられるように願って作られた地蔵菩薩です。

身代わり地蔵

病気や災難を代わりに受けてくれる地蔵菩薩です。

閻魔大王と地蔵菩薩の関係|実は同一人物

弥勒菩薩が現れるのが絶望的な未来だと知った貴族たちは、こぞって浄土宗の阿弥陀如来に信仰を寄せます。

潤沢な資金を使い、阿弥陀堂を次々と建設し功徳にすがろうとしました。地獄はそれだけ恐れられていたのです。

しかし、お金のない一般大衆はそうもいきません。そんな時に救いを求めたのが地蔵菩薩だったのです。

 

地蔵菩薩が地獄から救ってくれる!

 

地蔵信仰はたちまち一般大衆に広がり、地蔵菩薩=閻魔大王という十王思想と結びつきます。

さらに、地蔵が六道の入り口に立ち、各道の救済をするという六地蔵信仰にも発展するのでした。

まとめ

以上、閻魔大王と地蔵菩薩の関係|地獄の責めと救済についての解説でした!

閻魔大王は元々『ヤマ』という死の世界の神様でした。そこは楽園です。しかし、時代が進むにつれて、人間たちは死の世界を恐ろしいモノへと変化させてしまいます。

それに伴い、ヤマの見た目や宗教観も恐ろしいモノへと変化していきました。

日本では弥勒菩薩が現れるまでの救済として、地蔵信仰が流行ります。地獄の苦しみさえ救ってくれるとされた地蔵菩薩は、冥府最大の権力を持った閻魔大王の思想と習合しました。

これこそ、閻魔大王が地蔵菩薩の化身といわれるゆえんです。

 

当時の人々に恐れられた地獄の種類はコチラ▼

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