あなたは極楽浄土に行きたいですか?
『あるなら行ってみたい』
『行ってみたいけど行き方がわからない』
旅先で温泉などにつかっていると、つい言ってしまう言葉。『極楽、極楽♪』
極楽とはどこにあって、どうやって行くのでしょうか?そして、どんな場所なのでしょうか?
極楽とは、出家して僧侶になり厳しい修行をして悟りを開いた人が行ける場所でした。しかし、それでは制限が厳しすぎて、多くの人を悟りに導くことができません。
そこで、もう少し制限を軽くした仏教が流行ります。それが大乗仏教です。大衆にもやりやすい仏教と考えてOKです。
大乗仏教では、『南無阿弥陀仏』と唱えれば、仏が極楽まで連れて行ってくれます。
南無阿弥陀仏といえば浄土宗ですね。では、浄土宗以外は極楽浄土に行けないのでしょうか?今回は、極楽浄土について解説していきます。
合わせて読みたい
極楽浄土といえば南無阿弥陀仏の浄土宗
浄土宗は、1,175年に法然が開宗した日本を代表する仏教の宗派です。浄土宗を語るには『阿弥陀仏の本願』を知る必要があります。
阿弥陀とは昔の僧侶で、悟りを開くことができました。しかし、彼は悟りを開かずこんなことを言うのです。
『おれ、悟りを開くのは人類最後でいいや。他の人を悟りに導いてからにするよ。』
『おれのことを信じてくれるなら、極楽浄土に生まれ変わらせてあげるよ』
なんという男気でしょうか。この熱い想いのことを阿弥陀仏の本願といいます。結果論を言いますと、阿弥陀如来と呼ばれているので悟ってしまったんでしょうけどね。
如来とは悟ったという意味です。
これだけ高い理想と目標を掲げた男です。悟らないほうがおかしいでしょう。
仏の種類についてはコチラ▼
合わせて読みたい
浄土宗が唱える『南無阿弥陀仏』は『阿弥陀様、お助けください』といった意味合いです。このようにして、日本において極楽浄土といえば阿弥陀仏というイメージが定着しました。
ちなみに、阿弥陀如来が持っている浄土を西方極楽浄土といいます。
実は仏ごとに浄土の世界をもっている
大乗仏教では、他の仏様も自分の浄土を持っています。
- 薬師如来:瑠璃光浄土
- 観音菩薩:補陀落浄土
- 弥勒菩薩:兜率天
他にもたくさんの仏が、それぞれ自分の浄土をもっているのでした。
極楽浄土と天国の違い|六道輪廻との関係性は?
日本仏教には六度輪廻の考えがあります。死んだ人間は裁判を受け、新たな世界に生まれるというものです。
六道の中に天道という世界があります。そこには神々が住んでいるので、天国という表現が合うかもしれません。
しかし、六道にいる間は苦しみから逃れることはできません。六道輪廻の永久転生から抜け出すことを解脱といい、解脱したものが極楽浄土に行くことができます。
六道輪廻と十界についてはコチラ▼
合わせて読みたい
極楽浄土の世界といえば當麻曼荼羅(たいままんだら)
極楽浄土の代表は、阿弥陀如来の西方極楽浄土という事がわかりました。では、実際にどれだけ素晴らしい場所なのでしょうか?
阿弥陀如来の極楽浄土は、十万臆を超える仏の浄土のどれよりも勝っており、救いの光は時空を超えて現世にも届くといわれています。
暑くもなく、寒くもなく、朝も夜も光明が輝き、黄金の地面に500臆もの宮殿がそびえ立ち、あたりには良い香りが漂っているのです。
極楽浄土の素晴らしさを理解してもらうため、浄土宗の経典『観無量寿経』では様子が具体的に説かれています。
観無量寿経についてはコチラ▼
合わせて読みたい
そんな極楽浄土の絵を描いたものが『當麻曼荼羅』と呼ばれています。
當麻曼荼羅を知るには十六観
仏教経典に説かれている内容を、絵図で表した仏画を変相図といいます。當麻曼荼羅は観無量寿経の変相図です。中央に阿弥陀如来、観音菩薩、勢至菩薩の三尊が座った宮殿があり、周囲に極楽浄土の様子が描かれています。
宮殿の前には池と舞台があり、にぎやかに舞楽が演じられています。その左右には金、銀、瑪瑙など様々な宝石でできた宝樹が立ち、空には飛天が舞っています。
普通の人が當麻曼荼羅を観念(心に思い描く)するのは困難なので、絵図の左と下には16個のコマ割があり、曼荼羅の様子を分かりやすく描いています。
右側には観無量寿経が説かれるキッカケとなった、王舎城の悲劇がコマ割りで描かれています。
まとめ
以上、極楽浄土は複数ある|極楽浄土に行けるのは浄土宗だけ?の解説でした!
極楽浄土は十万臆を超える数存在しますが、その中の頂点は阿弥陀如来の西方極楽浄土です。阿弥陀如来を本尊としているのは浄土宗なので、基本的には浄土宗の方が行ける場所と考えられます。
しかし、阿弥陀仏の心は広く『南無阿弥陀仏』と唱えさえすれば極楽浄土に連れてってくれるのです。とても頼もしい仏様ですね。
実は念仏には心を落ち着ける科学的な根拠があります▼
合わせて読みたい
極楽浄土の対極にあるのが地獄道▼
合わせて読みたい