あなたは日常に溶け込んだ仏教用語をご存知ですか?
『南無阿弥陀仏とか?』
『お経とか?』
いえ、全く違います。気がつかずに使っている事が多いですが、仏教が元になった言葉は数多くあります。そして、無宗教と思っている日本人は、それと知らずにその言葉を口にしているのです。
日本人が宗教心をなくした理由はコチラ▼
合わせて読みたい
例えば『出世』なんてどうでしょう?
これは、会社や組織での昇進、名誉ある立場を得る事を言いますが、実は仏教からきた言葉です。
仏教では、出家して僧侶になること、迷いを断ち切り悟りの世界へ行くことを表します。また、仏様が救済に現れることを出世(しゅっせい)という場合もあるのです。
『おれ、出世したよ。』
本来の意味を知ってると、違って聞こえませんか?このように、普段何気なく使っている言葉の中に仏教は溶け込んでいます。今回は、かっこいい仏教用語について紹介してみましょう。
かっこいい仏教用語|決め台詞に使える仏教10名言
人間(にんげん)の意味
こんな根本的な言葉も、実は仏教に由来した言葉です。『人間』とは、人類や人物など私たちそのものを意味しています。
実は人そのものを表すようになったのは、江戸時代以降の話です。六道輪廻に人道があるように、元は世間や人間界を表す言葉でした。
六道輪廻についてはコチラ▼
合わせて読みたい
因果応報(いんがおうほう)の意味
現在の使い方では、どちらかというと悪い意味で使われます。悪事を働いた人に、悪い結果が生じるといった具合です。
『因』は原因のことを指し、『果』はその結果を意味します。なので、悪いことをした結果、罰が下されるというのは意味としては合っています。
しかし、仏教では悪だけではなく、善の行いに対しても用いる言葉です。
言語道断(ごんごどうだん)の意味
仏教の目的は悟りを開くことです。悟りというのは言葉で表せるものではなく、体験を伴ってはじめて理解できるモノです。
悟りが言葉では説明できない理由はコチラ▼
合わせて読みたい
物事を断つことを『道断』といい、その前に『言語』をつけるので、言葉を絶たねば理解できるものではないという悟りを表した仏教用語です。
一念発起(いちねんほっき)の意味
仏教では一念発心、一心発起ともいいます。
出家して仏教の修行に入ることを強く心に望むという意味があります。
現在でも意味合いは同じですが、仏教に限らず他の目標を強く心に決める時にも使われます。
金輪際(こんりんざい)の意味
現在では否定的な意味で使われるのが『金輪際』です。仏教の宇宙観では、世界は三輪に分かれてると考えられています。
- 金輪
- 水輪
- 風輪
私たち人間が住む世界を金輪といい、その極限の際の際『水輪』と接している部分を金輪際といいます。仏教では『極限』という意味で用いられていました。
娑婆(しゃば)の意味
刑務所でのお務めを終えた囚人が塀の外に出た時『娑婆の空気はうまいぜ』なんて感じで使うのが娑婆です。
娑婆はサンスクリット語の『サハー』を音写したもので、古代インドにおいて『大地』を意味しています。
その後、仏教に取り込まれて釈迦が説法している現世のことを指すようになりました。なので、刑務所にいる人間も娑婆にいます。
醍醐味(だいごみ)の意味
牛乳を精製していく段階の最上位を『醍醐味』といいます。その素晴らしい価値から、一般的には物事の真の楽しみ方を表すようになりました。
未曾有(みぞう)の意味
元となった言葉はサンスクリット語で『アドゥブタ』という言葉です。驚くべきという意味があり、仏教では『かつてないほど素晴らしい』というニュアンスで使われます。
現在では『未曾有の災害』など、否定的なを表して使われることが多いです。
修羅場(しゅらば)の意味
修羅はサンスクリット語の『アスラ』を音写した『阿修羅』のことを指します。最初に説明した人道と同じく、六道輪廻には修羅道という道があります。
修羅場とは、帝釈天と阿修羅が戦いをした、激しい戦いが続く場所のことをいいます。現在でも使い方は同じで、浮気現場や骨肉争いなどを修羅場といいます。
帝釈天と阿修羅が戦う理由はコチラ▼
合わせて読みたい
有頂天(うちょうてん)の意味
人間が住む世界を三界で表すと、欲界、色界、無色界となります。意識や物などの概念が存在する世界です。有頂天の『有』は『存在』を意味しています。
その頂点なので、人間界においては最高で絶頂の状態のことをいいます。
まとめ
以上、かっこいい仏教用語|決め台詞に使える仏教10名言の紹介でした!
仏教とは心を強くする教えです。何か問題が発生した時、その問題の根源を破壊します。今回紹介した言葉の意味を知っていれば、その言葉を使った時の快感は倍増するでしょう。
仏教の本来の意味を理解すると、仏教用語がより分かりやすくなります▼
合わせて読みたい