当サイトには広告を掲載しています

お墓 終活

お墓の継承者がいない|現代の日本が抱える『無縁仏』という問題

親の手を握る赤ちゃんの手

pajuboyoung / Pixabay

あなたの家は、先祖代々のお墓を継承できそうですか?

 

『子供が都内に行ってしまい、継承は難しい』

『一人娘が嫁いでしまった』

 

江戸時代にできた檀家制度ですが、現代の日本にはミスマッチな制度となりつつあります。

今回は『お墓の後継ぎがいない』『無縁仏になってしまう』このような問題と解決策について紹介していきます。

現代の日本にはお墓の継承者がいない

日本では古く江戸時代の頃に『檀家制度』というモノができました。国民はお寺に所属して、お布施を納めることで先祖の供養をしてもらいます。

 

 

その頃の日本は今のように転勤が頻繁にあるわけではなく、代々その土地に住むというのが一般的でした。しかし、現代の日本はどうでしょう?

大手企業は日本全国で事業を行っていますし、グローバル企業なら世界中に支店があります。もちろん、そんな会社の社員であれば転勤は当たり前です。

『自分が年老いていく中、長男はアメリカで働いている・・・』なんていうことも、珍しくはなくなりました。

 

つまり、今のお墓は継承者がいないのです。

 

子供の転勤は一つの例ですが、お墓の後継ぎがいなくなる主な理由を3つ挙げてみます。

無縁仏(墓地)が増える3つの理由

誰も供養する人がいないご遺体のことを無縁仏といいます。無縁仏が増える背景には何があるのでしょうか?

少子化による人口減少

少子高齢化の進行により、我が国の生産年齢人口は1995年をピークに減少に転じており、総人口も2008年をピークに減少に転じている。総務省「国勢調査」によると、2015年の総人口(年齢不詳人口を除く)は1億2,520万人、生産年齢人口(15歳~64歳)は7,592万人である。14歳以下の推計人口は1982年から連続して減少が続いており、少子化に歯止めがかからない実態が改めて浮き彫りになっている。

引用:総務省

総務省のデータによれば、日本の人口は2008年ごろから減少の一途をたどっています。

合計特殊出生率をみると、第1次ベビーブーム期には4.3を超えていたが、1950(昭和25)年以降急激に低下した。その後、第2次ベビーブーム期を含め、ほぼ2.1台で推移していたが、1975年に2.0を下回ってから再び低下傾向となった。1989(昭和64、平成元)年にはそれまで最低であった1966(昭和41)年(丙午:ひのえうま)の数値を下回る1.57を記録し、さらに、2005(平成17)年には過去最低である1.26まで落ち込んだ。

引用:内閣府

コチラは内閣府が発表している出生率データですが、1970年代の第二次ベビーブーム以降、子供が生まれる数は減少の一途をたどっています。

これらのデータからいえることは・・・

 

  • 人口に対する子供の割合が減る
  • 人口に対する高齢者の割合が増える
  • 人口全体が減る

 

という事になります。子供の頭数が減り、増えた高齢者が亡くなっていくのですから、お墓を継承していくことが難しくなるのは当然です。

核家族化による墓との物理的な距離

家族のあり方が変わってきたことも、無縁仏を増やす要因の一つです。

昔の家族というのは男の実家に女が嫁ぎ、そこで一緒に暮らすのがスタンダードでした。しかし、現在は別の家を建て、実家や両親とは一緒に暮らさないというのがスタンダードになってきています。

このあと紹介する会社のあり方とも同じですが、実家の近くに暮らしていなければ、家墓の跡を継ぐのは困難です。

都市部への人口移動

うまく自分の家に跡取りが生まれたとしても、現代の日本では会社に所属する確率が高いです。

昔は個人事業主が多かったのですが、会社というモノが成熟していく過程で統廃合が繰り返され、就職という概念が当たり前になりました。

大きな会社に入社して、全国で働いて、出世していくというながれですね。そうなると、せっかく生まれた跡取りも引っ越してしまい、戻ってくることができません。

実家の墓との物理的な距離が、無縁仏を作り出す要因となっています。

後継ぎが必要な家墓は維持できない

2016年の衛生行政報告例では、改葬件数が約9万7000件となっています。2000年ごろは7万件を下回っていたので、年々需要が増えてきていることがわかります。

継承者がおらず、管理ができなくなった遺骨は無縁として扱われます。

無縁仏になるとどうなるの?

平成11年の法改正により『墓地、埋葬等に関する法律施行規則』が改訂されました。

死亡者の本籍及び氏名並びに墓地使用者等、死亡者の縁故者及び無縁墳墓等に関する権利を有する者に対し一年以内に申し出るべき旨を、官報に掲載し、かつ、無縁墳墓等の見やすい場所に設置された立札に一年間掲示して、公告し、その期間中にその申出がなかつた旨を記載した書面

引用:電子政府総合窓口

それによれば、墓地管理者は住所や名前などを墓の目の前に1年間掲示することで、改葬(墓じまい)することが可能となったのです。

それまで安置されていた遺骨は、無縁仏専用の墓に移動され合祀されます。近年はこのような例が増加しており、遺骨を粉砕してコンパクトにするなどの処理もされるようです。

都市部に増える納骨堂や永代供養墓

『無縁になって合祀されるのはチョット・・・』そんな世の中のニーズに応えるために、都市部では1990年ごろから納骨堂や永代供養墓というのが作られ始めました。

地方の家墓が守れない人たちが、都市部にある継承者不要のお墓に改葬させるケースが増えてきています。

 

永代供養墓の詳細はコチラ▼

 

無縁を避けるための墓じまい

『墓じまい』というと、お墓の放棄のように聞こえますが、内情はその反対。むしろ、墓の引っ越しをしてでも無縁にならないようにしようという人々の願いがあります。

日本では少子化、核家族化がこれからも増えて、人口も減少していきます。墓じまいという選択を迫られる人は、後を絶たないでしょう。

 

墓じまいの本当の意味はコチラ▼

お墓の引っ越し先についてはコチラ▼

-お墓, 終活