日本には5,000を超える臨済宗の寺院があります。もしかしたら、あなたのお墓も臨済宗かもしれません。日本仏教の代表格ともいえる臨済宗。誰が作ったものかご存知ですか?
『仏教の宗派は難しくてよくわからない』
『臨済宗ってナゾナゾ言ってるよくわからない宗派でしょ?』
仏教は宗派によってやっていることが違いすぎて難しく感じるかもしれません。しかし、どの宗派でも目的は同じなのです。
人々に平安をもたらすこと。つまり、極楽浄土や悟りに導くことです。
その方法が宗派によって異なっているだけなのです。
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今回は、臨済宗とは何か?誰が開いたのか?どのような修行をしているのか?について、初心者にもわかりやすく解説していきます。
臨済宗の開祖は栄西
臨済宗は栄西が開きました。栄西は1,141~1,215年を生きた、鎌倉時代の僧侶です。臨済宗は曹洞宗と並ぶ、禅の宗派です。
現在に続く日本の『わび、さび』は、この禅の精神を強く受け継いでいます。
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臨済宗か開かれたのは1,191年
栄西は中国留学をして臨済禅を学んで修めてきます。つまり、悟りを開いてきたのです。その後、日本で臨済宗を開宗します。
本山は建仁寺・健長寺など
建仁寺は京都にあるお寺です。
口コミ
建仁2年に栄西禅師が開いたという臨済宗建仁寺派の大本山で、京都最古の禅寺。国宝「風神雷神図屏風」や多数の美術品を拝観出来ます。 ここは、写真が撮れる数少ない寺院です。
引用:グーグルマップ
言わずと知れた京都祇園の禅宗最古のお寺です。現在は臨済宗らしいです。源頼家が土地を寄贈し、そこに建造された場所です。建造が1202年とのことで歴史と趣のあるお寺です。風神雷神や龍の絵が飾られていますが、実物を見るととても迫力を感じます。枯山水の庭園もとてもきれいです。外国人観光客の方に大変人気らしく、皆さん浴衣を着て散策されています。一度は訪れるべき場所だと思います。
引用:グーグルマップ
健長寺は神奈川にあるお寺です。
口コミ
さすが鎌倉五山第一位の臨済宗・建長寺派の大本山! 境内が広すぎです! 歴史を重ねてきた巨大な三門や仏殿に圧倒されますね。 方丈の裏には開山・蘭渓道隆が作庭したと伝わる美しい庭園があります。本当に素晴らしい庭園です。
引用:グーグルマップ
臨済宗建長寺派 大本山 建長寺 1253年建長5年 鎌倉幕府五代執権 北条時頼が建立したわが国最初の禅宗専門寺院です。 国の重要文化財に指定されている総門・三門・仏殿・法堂などの建物を中心に大陸的な伽藍配置が残されています。また、仏殿の前にあるビャクシンの古木は、樹齢約730年と言われており、迫力ある大木で歴史あるお寺です。
引用:グーグルマップ
本尊は釈迦如来
本尊は釈迦如来です。仏教の開祖であるお釈迦様をかたどった仏像です。
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経典はない
経典はありません。
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公案という禅問答により悟りに導く
臨済宗では公案という禅問答により、弟子を悟りに導きます。公案とは答えのないナゾナゾのようなものです。以下は公案の一例です。
ミミズはちぎれても、2つとも動く。では、仏の心はどちらにあるのか?
・・・難しいですね。でも、先に答えを書いています。公案とは『解なし』です。上記の公案の本質は・・・
AまたはBという2択は、あなたの思い込みですよ。
と、弟子に教えることです。悟りというのは、自分の作った固定観念を全て取っ払った状態をいいます。
ちぎれたミミズには、どちらかに仏の心がある。
これはその人の固定観念です。どちらにも仏の心があるかもしれませんし、ないかもしれません。近くを飛んでいる鳥にしてみれば、ちぎれていようとミミズはただのエサ。
このように、見方を変えれば幾千もの考え方ができてしまうのです。人生の悩み事も同じです。個人の考え方次第で、良くも悪くもなります。
栄西は公案を使って、弟子たちを固定観念のない悟りへと導くのでした。
お茶を日本に広めた緑茶の開祖でもある
日本に本格的な禅宗を広めた栄西ですが、同時にお茶を広めた人物としても有名です。お茶の効果・効能を記した日本最古の茶書『喫茶養生記』を書き上げました。
緑茶にはカフェインが含有されており、修行の眠気覚ましのために中国留学から持ち帰ったのです。
まとめ
以上、臨済宗の開祖は栄西禅師|本山、経典、本尊について分かりやすく解説でした!
- 開祖:栄西
- 開宗年:1,191年
- 本山:建仁寺・健長寺
- 本尊:釈迦如来
- 経典:なし
栄西は公案というナゾナゾで、弟子を悟りに導きました。また、日本にお茶を広めた人物でもあります。
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