お寺の檀家になっていると、菩提寺に支払う管理費やお布施が発生します。この負担を子供に追わせたくないという理由から、お墓の引っ越しを考える人が増えてきました。
また、核家族化や少子化によって、お墓を継承して欲しくても跡継ぎがいないパターンもあります。このような社会的背景から、継承者が不要の永代供養墓の認知度が上がってきています。
いずれにせよ、今あるお墓からの引っ越し『改葬』という手続きが必要となります。今回は、改葬の手順と流れについて詳しく解説していきます!
改葬とは?お墓の引っ越し件数が増加中
改葬は法律にしっかりと明記されており、菩提寺や霊園とのトラブルさえなければスムーズに行うことが可能です。
この法律で「改葬」とは、埋葬した死体を他の墳墓に移し、又は埋蔵し、若しくは収蔵した焼骨を、他の墳墓又は納骨堂に移すことをいう。
改葬の手順のうち、既存の墓を更地にするステップを『墓じまい』といいます▼
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改葬の件数は年々増えており、平成12年頃から7万件弱で推移していましたが、平成28年には約9.7万件まで増加しています。
参考資料:衛生行政報告例
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主な改葬のパターンは2つある
改葬のパターンは、大きく分けて2つあります。
- 墓石+遺骨の引っ越し
- 遺骨のみの引っ越し
墓石+遺骨の引っ越しは、墓石の状態と、新しいお墓の広さをチェックする必要があります。墓石が傷んでいれば運搬中に破損するリスクがありますし、大きすぎると改葬先の墓地に設置できない場合もあります。
遺骨だけの引っ越しでも、遺骨が何人分あるのか、土葬ではないかを確認しておきましょう。通常、お墓の販売価格は1人分です。先祖の遺骨が5人分あれば、5倍の料金がかかります。
また、土葬の場合は取り出した遺骨を綺麗にして、火葬してからでなければ納骨できません。
この他にも『分骨』といって遺骨を2ヵ所に分けるパターン、散骨するパターン、樹木葬にするパターンなどがあります。
供養スタイルの多様化により、散骨に興味を持つ方も増えています▼
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改葬の手順と流れ
それでは、改葬の手順と流れを解説していきます。
- 家族・親族・菩提寺・霊園などに相談する
- 改葬のパターンを決める
- 新しい墓の管理者から『受入証明書』を発行してもらう
- 現在のお墓の管理者に『改葬許可申請書(埋蔵証明書)』を書いてもらう
- 現在のお墓がある自治体に4、5を提出して『改葬許可証』を発行してもらう
- 閉眼・開眼供養を行う
- 新しいお墓の管理者に『改葬許可証』を提出する
【現在の墓地】家族・親族・墓の管理者に相談
改葬で一番重要となるのはこのステップです。家族や親族、現在の墓の管理者に誠意をもって相談しましょう。
【新しい墓地】受入証明書の発行
新しく購入したお墓の管理者から『受入許可証』を発行してもらいます。
【現在の墓地】埋蔵証明書(改葬許可申請書)の作成
現在のお墓がある自治体から『改葬許可申請書(埋蔵証明書)』をもらい、お墓の管理者に署名・捺印をしてもらいます。
【自治体】改葬許可証の発行
完成した改葬許可申請書を自治体に提出して、『改葬許可証』を発行してもらいます。
【現在⇒新しい墓地】閉眼・開眼供養
遺骨を取り出す時に閉眼供養、新しいお墓に納骨する時に開眼供養を行います。
【新しい墓地】改葬許可証の提出
新しいお墓の管理者に、改葬許可証を提出したら完了です。
改葬許可申請書を見ていただくとわかりますが、遺骨の人数分の作成が必要となります。
参考までに、東京都豊島区の改葬許可申請書のページを掲載しておきます。今はネットでダウンロードできる場合が多いです。⇒豊島区HP
改葬にかかる費用は様々
改葬にはそれなりの費用が発生しますが、現在のところ明確な相場というモノはありません。参考までに、発生する費用を紹介します。
- 新しいお墓の購入費用
- 今あるお墓の解体費用
- 離団料
- 申請手数料
- 運搬費
- 閉眼・開眼供養のお布施
新しいお墓が永代供養墓なら50~100万円、家墓なら150~200万円くらいになります。墓石ごと引っ越すなら新しい墓石を購入する必要はありませんが、運搬費用は発生してきます。
既存の墓を撤去するには、1平方メートルあたり10~20万円くらいの費用が必要です。お墓の管理者によっては、離団料を求められることも。
遠方の寺の檀家となっており、亡くなった両親の遺骨や先祖の位牌がある。高齢で、遠くまで墓参りに行けないので、遺骨等を家の近くの合同納骨堂に移したい。寺に問い合わせると「250万円支払うように」と言われた。支払うべきなのか。(70歳代 女性)
引用:国民消費者センター
このようなトラブルを避けるためにも、誠意を持った話し合いが重要となります。
改葬許可証の発行は、事務手数料として数百円~1,000円程度を想定しておきましょう。
閉眼供養、開眼供養のお布施は、数万円~20万円くらいとピンキリです。やはり、明確な料金設定のないお布施には注意が必要ですね。
自治体が運営する霊園では、改葬費用の一部を助成していることもあります。無縁となり管理されなくなった墓地の処分費用は、自治体が負担するためです。
それなら少しでもお金を出して管理者に改葬してもらったほうが、自治体としても出費が少ないというメリットがあります。公営墓地なら、管理する自治体の制度も確認しておきましょう。
墓石の種類と費用についてはコチラ▼
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困ったときは、改葬を専門に請け負う代行業者を利用する
改葬は一生に一度あるかないかのイベントです。全て自分で手配することも可能ですが、専門の代行業者に任せるもの一つの手です。
何といっても、経験が違いますからね。以下、改葬(墓じまい)を専門に取り扱う業者です。
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