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仏像の手の形|9個の印相と意味についてわかりやすく解説

あなたは仏像の手の形を見たことはありますか?

 

『胸のあたりに手を挙げている印象』

『膝の上で輪を作ってる』

 

このようなイメージを持つ方が多いでしょう。正解です。さすが、仏教が生活に根付いている日本人です。しかし、その手の意味はご存知ですか?

 

仏様が何気なく決めている手のポーズの事を印相(いんぞう)といいます。

 

主に如来と菩薩の事をさしますが、指の曲げ方、手の組み方によって仏像の意思や願いを表しているのです。その意味がわかれば、次に仏像を見たとき新たな魅力に気が付くことでしょう。

 

仏像の種類についてはコチラ▼

 

今回は、仏像の手の形『印相』について解説していきます。

印相(いんぞう)|仏像の手には意味がある

仏像が作られ始めたころは、教えを説くときの『説法印』と悟りを開いた時の『阿弥陀定印』が多かったです。

仏像の数が増えるとともに、手の形も増えていきました。元を辿ると、古代インドにあったジェスチャーから発展してきたものです。

禅定印(ぜんじょういん)または法界印(ほっかいいん)|心を静める

釈迦如来、大日如来、薬師如来など各如来の定印で、法界印と呼ばれます。左手の上に右手を重ね、左右の親指同士をくっつけて輪を作ります。卵を横にしたような形をイメージましょう。

手の位置はお腹のあたりで、坐禅を組んだ状態で使います。瞑想にも用いられるので禅定印とも呼ばれます。

 

日本仏教の禅宗はコチラ▼

 

説法印(せっぽういん)または転法輪印(てんぽうりんいん)|話を聞く

悟りを開いた釈迦が人生に苦しむ人々に教えを説いた時の印相で、説法印と呼ばれます。両手を胸の前に上げ、親指と中指をくっつけます。

 

親指と人差し指、親指と薬指の場合もあります。

 

施無畏印(せむいいん)|恐れる必要はない

奈良の大仏さまで有名な施無畏印です。右手を開いて胸のあたりに掲げます。これには人々の恐怖を取り除き、安らぎの心を与えるという意味があります。

与願印(よがんいん)|願いを叶える

施無畏印と対になる印相が、与願印です。左手を前に向け、指先を膝の方に垂らします。これは人々の願いを叶え、仏の道に入るように教えています。

 

施無畏印と与願印を合わせると『仏教にすがりなさい。そこに救いの道はある。』という意味になります。

 

降魔印(ごうまいん)|悪魔を退散

釈迦が悟りを開こうとしたとき、魔物が襲ってきたといわれています。魔物とは、瞑想中に心の中から湧いていくる煩悩や思念のことです。

この降魔印で大地に触れることを『触地』といって、魔物を降伏させる力があります。

 

釈迦が悟りを開くまでの生涯はコチラ▼

 

智拳印(ちけんいん)|智慧の象徴

智拳印は密教で有名な大日如来だけの印相です。胸の前で左手の人差し指を立て、右手でその指を握ります。右手は仏、左手は衆生を表しており、密教の『智慧』を表しています。

 

密教の天台宗と真言宗はについてはコチラ▼

 

来迎印(らいごういん)|極楽浄土への導き

来迎印は阿弥陀如来の印相です。

阿弥陀如来は浄土宗と浄土真宗の本尊です。『南無阿弥陀仏』と唱えれば、阿弥陀如来が極楽浄土に連れて行ってくれます。

この来迎印は、阿弥陀如来が死者を迎えにやってくるときの印相です。右手で恐れを取り除き、左手で願いを叶え、救済に導きます。

 

阿弥陀如来を本尊とする浄土宗と浄土真宗についてはコチラ▼

 

刀印(とういん)|悪魔を退散

人差し指と中指を立てることで、刀をイメージした刀印です。その刀で、邪悪なものを退治する意味があります。

阿弥陀定印(あみだじょういん)または九品印(くほんいん)|心を落ち着かせる

心を落ち着かせて、悟りを開くための阿弥陀定印です。法界印のあと、両方の人差し指を曲げて親指にくっつけます。

九品往生印|極楽浄土へ往生するにも9種類ある

浄土宗では上品上生~下品下生まで9個の往生印があります。

下品 中品 上品
定印 下品上生 中品上生 上品上生
説法印 下品中生 中品中生 上品中生
来迎印 下品下生 中品下生 上品下生

生前の行いや、信仰心によって極楽浄土の行き先が9箇所に分かれているのです。浄土宗の本尊である阿弥陀如来は、迎え入れる人によって印相を変えます。

まとめ

以上、仏像の手の形|9個の印相と意味についてわかりやすく解説についてでした!

仏像の手の形に、これほどの意味が込められているのには驚きですね。この知識があれば、次に仏像を見たときの感じ方も変わってくるはずです。

 

手の形だけじゃなく、持ち物にも意味があります▼

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